find us on facebook  Twitter  マシュー&カロンWEB

<< MENU

MK新聞

今号の紙面

2017年(平成29年)3月1日発行 第848号

848号1面
MK新聞をPDFファイルでご覧になれます。
MK新聞平成29年3月1日付848号(11.1MB)
1面
拝啓 国土交通大臣 石井 啓一 殿
減車や運賃を議論するよりもく
担い手不足が深刻な問題である
2面
MKスカイゲイトシャトル 運賃改定のお知らせ
東京MK 運賃改定のお知らせ
3面
もっと知りたい!古典芸能 <38>
スクリーン招待席 ドラゴン×マッハ!
今日のdinnerはプロの味 甘鯛のうろこ焼き
書籍ランキング
4面
葉根たより<3>
本だけ眺めて暮らしたい<347>
5面
北京好日 第二回 侵略の歴史と重なる人生
6面
2017 海外留学レポート① ―初めての女性留学者―
京都MKハイヤー課 山口 紗季 社員
MKボウル・パルケ&京都精華大学連携プロジェクト
7面
こんな話あんな話 MK勉強会から
富士火災海上保険株式会社 大村 健二 様
公益財団法人 日本漢字能力検定協会 可児 達志 様
第10回京都・文化ベンチャーコンペティション
英会話“スペシャル”サロン開催
頑張れ!!京都サンガF.C.
8面
TACPO NEWS 北山紅茶館 / 黒船 / 井筒八ッ橋本店
9面
世相と法律 残業命令の限界
フットハットがゆく!<280>
私のひとりごと
BOOK
10面 3月の運勢
グローバル・ビジネス・レポート <47>
ガーデニング 春の園芸
京都検定合格者多数!
11面
インフォメーション
12面
MKハートラス会 ボウリング交流会


(1面記事より)

拝啓 国土交通大臣 石井 啓一 殿

減車や運賃を議論するよりも
担い手不足が深刻な問題である

エムケイ株式会社 代表取締役社長 青木信明

福岡高裁判決が確定
公定幅裁判はMK全勝訴

 前号のMK新聞にて、福岡エムケイの公定幅運賃裁判の高裁判決が下され、エムケイ側が勝訴したことをお伝えしましたが、その後国側は上告することなく判決は確定しました。先に判決確定した大阪地裁判決と合わせて、約3年にわたる公定幅運賃に関する裁判は国の裁量権逸脱との判断で終結しました。この場をお借りしまして改めて英断を下していただいた裁判官と弊社を支援いただきましたお客様に感謝の意を表します。
 すでにご案内の通り、本裁判に先立つ仮差止めの決定後、一審判決を待たずして国側は公定幅運賃の見直しに着手しており、近畿では去る平成28年11月21日から従来より下限の幅を広げた新しい公定幅運賃を公示しています。再び弊社に公定幅運賃に入るよう指導が2度ありましたが、わずか初乗り金額で数十円の幅を広げただけに過ぎないこと、そしてエムケイが公定幅運賃に入ると各社違いはありますが、およそ10%以上の運賃値上げになることや、現在特段値上げを必要とするような営業環境にないことなどから総合的に判断して、東京を除く各社とも今まで通りの運賃を堅持しております。3年前と同様にこのまま行政処分へのアプローチが進んでいけば再び法的対応をとらざるを得ない状況もありうることでしょう。

需要減少ではなく
ドライバー不足が問題

 公定幅運賃について振り返ると、再規制に転換した平成21年のタクシー特措法から、さらに規制を強化する改正タクシー特措法が平成25年に業界の働きかけによって議員立法でつくられ、特定地域及び準特定地域に指定された地域では従来の自動認可運賃から新しく公定幅運賃にすることとされました。そもそも特定地域の指定や公定幅運賃は、タクシーの供給過剰を原因とした過重労働などによる安全性の悪化を防止し旅客の安全を守ることを目的に導入されています。法の目的と現状とを比べると私は制定時の想定とのアンマッチが生じているとみています。
 とにかく「減車」ありきで独占禁止法に抵触しないよう、各地に学識経験者や利用者代表や関係行政機関と事業者などで組織された地域協議会というスキームをつくって協議していますが、法が地域協議会に求める「活性化(利用者利便の向上のこと)」と「適正化(車両台数の削減のこと)」のうち、全国的に適正化の議論に傾いているのは否めません。それはさておき、私が先日出席した京都の事例ですが、京都運輸支局が提供する資料によると、地域全体の需要の指標である「総実車キロ」「総営業収入」は毎年減少傾向にあるものの、タクシーの利用状況の指標となる「1日1台あたりの実車キロ」や「実車率」や「1日1台あたり営業収入」はリーマンショック後の平成21〜22年を底にして右肩上がりで上昇しています。地域全体の需要が減少するものの、ドライバー一人ひとりをみると売上があがっている、この一見矛盾した状況について数字の解釈の仕方は様々あると思いますが、平成22年に82・5%だった車両稼働率が76・7%に激減していること、京都の登録運転者数が平成22年の1万1032名から6年間で8974名に18%減少していることに着目すると、既に供給不足の兆しが見えているのではないかと思うのです。先に上げた総実車キロの減少(平成22年と27年の対比でマイナス13%)や総営業収入の減少(同マイナス7%)よりも、登録運転者数の減少の方が大きいからです。肌感覚としてもお客様が減っているとは思えないのです。

需給についてではなく
活性化と教育の議論を

 ドライバーがいなければ車は動きません。車が動かなければいくらお客様がいてもご利用いただけません。タクシー会社各社でも無線配車をさばききれないことが課題になっていると聞きますし、少ないドライバーが売上の高い夜勤に集中すれば昼と夜の稼働台数のバランスが崩れて昼のタクシー供給不足に陥ることが現実的に見えてきます。先に上げた稼働率は約6ポイントの減少ですが、時間帯ごとの実働台数を算出すれば深刻な時間帯が発見されるのではないでしょうか。
 つまり私が言いたいことは、いまや減車の議論をしても無意味であり、タクシー不足が社会問題となる前に、タクシーの活性化をはからなければならないということです。京都はおかげ様で外国人観光客の方も増えており、あるアンケートでは主要な交通機関であるバスになかなか乗れなくなっているという意見もありました。業界あげて観光に関する教育が必要で、タクシーの将来性を積極的にアピールし、若い人材に入ってもらわなくてはならないのです。
 改正タクシー特措法により、国も業界も減車や公定幅運賃について取り組んでいますが、本当にやらなければならないことは利用者利便の向上です。タクシー供給不足になればライドシェアがその隙間を埋めるべく進出してきますし、そのときライドシェアが既存のタクシーよりも利用者に評価されるサービス提供者であれば、もはや利用者はタクシーには戻ってはきません。そのときタクシーを守るのは緑ナンバーという法律ではなく、自らのサービス力であるということは私自身も含めタクシー経営者は腹をくくらなければなりません。