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MK新聞

今号の紙面

2017年(平成29年)12月1日発行 第857号

857号1面
MK新聞をPDFファイルでご覧になれます。
MK新聞平成29年12月1日付857号(10MB)
1面
拝啓 国土交通大臣 石井啓一殿
今こそ、タクシーの未来を決する分水嶺⑰
激しい時代の変化に対応し「脱タクシー」をめざす
2面
ハイヤー・タクシー売上ランキング
MKは全国6位をキープ
スクリーン招待席 立ち去った女
3面
書籍ランキング
もっと知りたい!古典芸能
今日のdinnerはプロの味
~お魚のブランダードと京みず菜のサラダ
 タップナードソース~
BOOK
4面
葉根たより12
今日の先生はMK観光ドライバー!?
5面
海外研修レポート⑩
6面
私のひとりごと 精神的腰痛!?
ゆるキャラグランプリ2017
7面
MKトラベル 日帰りバスツアー
8面
水資源と灌漑事業の今とこれから
9面
世間と法律
  病院・介護施設と高齢 痴呆患者の身体拘束
フットハットがゆく!<289>
本だけ眺めて暮らしたい<356>
10面
12月の運勢
グローバル・ビジネス・レポート <56>
ガーデニング プリムラ
11面
インフォメーション
プレゼントコーナー
12面
PICK UP 「オレンジの悪魔」京都橘高校吹奏楽部



(1面記事より)

拝啓 国土交通大臣 石井 啓一 殿
今こそ、タクシーの未来を決する分水嶺17
激しい時代の変化に対応し「脱タクシー」をめざす

エムケイ株式会社 代表取締役社長 青木信明

激動の一年が業界に与えた影響

 今年も残るところわずかとなりました。振り返りますと2017年は例年にもまして変化の激しい年であったと思います。秋の解散総選挙による自民党政権の継続や日経株価の連日の高騰、バブル期並みの有効求人倍率、過去最高の訪日外国人数の更新、ITを使った新しいシェアエコノミーの出現など、あたかも2020年に向けて右肩上がりがこのまま続いて行くであろうという期待感とともに受け止められているのではないでしょうか。
 一方でこのような経済と社会の変化の影響は個々の産業にもそれぞれ如実に反映され、タクシー業界においては慢性的なドライバー不足と働き方改革への対応、高まるインバウンド需要への対策、海外のライドシェアや配車アプリの台頭など、一言でいえば「業界の中だけの問題ではない」ということです。
 多くのタクシー車両を保有していたとしてもそれを運転するドライバーがいなければ車両は稼働しませんが、その担い手はタクシー、バス、トラックを問わず運輸業界全体で人不足でかつタクシーでは高齢化が顕著です。貨物大手が値上げの理解を荷主と国民に求めたことは記憶に新しく、働き手の囲い込みはなにも同業他社との競争ではなく、他産業との競争であり、いかに働きやすい職場環境とするかが企業の生き残りをかけた課題です。「人不足倒産」がこの先珍しくないこととなるでしょう。
 政府が掲げる2020年訪日外国人目標4000万人、2030年6000万人は、もしも数年前に聞かされたならば荒唐無稽な数字と思ったかもしれませんが、国土交通省のVISIT JAPANキャンペーンから始まる各行政や観光産業関係者の地道な努力の継続によって当面の目標数値であった年間2000万人を軽々と突破し、実現可能な数字になりました。地元京都においても外国人観光客を受け入れるラグジュアリーホテルの相次ぐ参入を皮切りに多数のホテルは今なお建設されており、小規模なゲストハウスや民泊もますます増えています。一方で観光地における標識・看板等の外国語対応や外国語で対応できるスタッフの育成など受け入れ態勢の強化が必要とされています。
 業界の人手不足問題とインバウンド需要の高まりの双方からにわかに注目を集めたのがライドシェアです。アプリをつかって白ナンバー自家用車運転手と移動したい利用者の希望をマッチングさせるシステムで、世界中で隆盛しているようですが、安全性などに課題があるため日本のタクシー業界は反対しています。今のところ行政もライドシェアの参入に一定の歯止めをかけ、ライドシェア業界も配車アプリ利用という切り口からタクシー会社との協業を模索する方向にあるようです。いずれにせよ既存のタクシーが乗りたいときに乗れないとき、利用者がより利便性の高いものを受け入れるのは必然であることも忘れてはなりません。ひとつの表れとして空港で主に中国人観光客を対象とした白タクアプリが問題化しています。

変化への対応は経営者の役割

 これらの環境の変化に弊社がどのくらい対応できているかを振り返りますと、2年前より新卒トラベルコーディネーター採用を強化しました。来春にはMKグループで約50名が入社し、なかでも京都MKでは新卒向けの社員寮を新たに建設し、3期目となる約30名を将来のハイヤー・観光ドライバーとして迎え入れます。既に昨年入社した先輩社員はトラベルコーディネーターとして社内の観光ランク試験をパスした者から観光タクシーで活躍しています。また稼働日数や残業時間を見直すなど労使一体となって働き方改革を促進する努力をしております。
 インバウンド対策は今ほど注目されていなかった2010年頃より全社的に英語への取り組みの意識醸成を経て、2013年より各営業所での英語会話サロンやランク制度の刷新を行い、2015年からは海外留学制度を年3回に拡充しました。取り組み前に約20名だった英会話ドライバーは現在80名程度になり、おかげさまでMICEなどの大型案件に対応できるタクシーハイヤー会社として国内外に評価いただいています。本年は初めて留学先として台湾も増やし中国人観光客への対応も始めました。
 MKスマホ配車アプリは開始より約60万件ダウンロードされ、日々の利用も無線配車の2〜3割をスマホ配車が占めるようになり、利便性を評価いただいています。今後は海外の配車アプリとの連携を模索し、空港定額タクシーを中心により利便性の高いものを提供していきたいと思います。
 このような変化への対応は業界全体で取り組むものもありますが、やはり個々の企業、個々の経営者が知恵を絞り実行していかなければならないと考えております。

創業者から引き継いだ脱タクシーへの思い

 グループ会社のエムケイ石油株式会社は現在京都に15ヵ所のガソリンスタンドを運営していますが、ハイブリッド車の登場と燃費の向上、将来の電気自動車の普及を見据えてこの数年「脱ガソリンン」を経営の柱にしています。社会の趨勢として出荷量が年々減少するガソリンではなく保険や整備、車両販売など役務提供での収益を高めるために資格取得や知識、サービスマナー向上など社員教育に力を入れることで、スタンド経営の改革を進めております。
 同じことが将来タクシー事業にも起こると考えています。それは完全自動化になった自動運転タクシーが実現する十数年先のことであるか、それとも数年先のことかはわかりません。ですがつい2、3年前には思いもしなかったことがIT技術の発展やインバウンド需要の高まりによって民泊であったりライドシェアであったりと実現化しています。「グローバル」という言葉が何年か前にもてはやされましたが、まさに本年はその言葉を好むと好まざるにかかわらず意識せずにはいられない一年でした。
 弊社ではこれまで以上に高度な人材教育によってプロ意識をもったサービス提供とハイグレード車両化を推し進めていくことで「MKでなければ」という需要を生み出していきたいと考えます。これが弊社の考える「脱タクシー」であり、2017年は時代の変化の節目であったと思います。本年逝去しました創業者はこれからも精神的支柱ではありますが、創業者が提唱し続け実践し続けた「MKはタクシー料金でハイヤー並みのサービスを」というMKのあり方を、我々は引き継いでより高めていく所存でございます。